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デヴィッド・ボウイの絵画コレクションもやってくる ルーベンスで盛り上がるアントワープ

来年、2018年はルーベンス記念年ということで、ルーベンスの故郷、ベルギーのアントワープは徐々に盛り上がっています。そんなアントワープから、ルーベンスに関する話題を2つお知らせします。

● デヴィッド・ボウイのコレクションがやってくる
「素晴らしい絵画が与えてくれるのは、それを眺めるだけで驚異を感じ、精神が高揚すること、希望と美が、心に流れ込んでくることだ。そして絵画はあなたにその見返りを求めることがない」とは画家であり自身も美術の収集家だったルーベンスが残した言葉だとしても、驚かないでしょう。
実際にこの言葉を伝えたのは、ルーベンスのファンだった現代の世界的なロックスター、デヴィッド・ボウイです。デヴィッド・ボウイもルーベンスのように多彩な才能にあふれた人、芸術に邁進し、また、家族想いの人物でした。

デヴィッド・ボウイは、イタリア・ルネッサンスの画家ティントレットの「アレクサンドラの聖カタリナ」を長年所有していました。ルーベンスはイタリア修業時代から、ティントレットの影響を受け、彼の弟子の作品を買い集めていました。ティントレットの「アレクサンドラの聖カタリナ」を、デヴィッド・ボウイの遺品オークションで落札した個人のアートコレクターは、アントワープのミュージアム「ルーベンスの家」こそ、この絵が飾られるのにふさわしい場所だと考え、長期に貸し出すことに決めました。

ルーベンスとヴァン・ダイクに影響を与えたティントレット
ティントレットは1560年代に祭壇画「アレクサンドラの聖カタリナ」を、ヴェネツィアのサン・マルコ広場にあるジョバンニ・ベッリーニがデザインした教会のために描きました。ルーベンスがイタリアで目にし、弟子ヴァン・ダイクがスケッチを残したのがこの絵です。
教会は1807年、ナポレオン時代になくなり、絵は個人収集家の手にわたりました。デヴィッド・ボウイがこの絵を手に入れたのは30年前のことです。

アントワープ デビッドボウイ ティントレット アート フランダース

ヴェネツィアからロンドンをへてアントワープへ
2人のアーティストをつなぐ貴重な絵画が、2017年6月末から、アントワープの「ルーベンスの家」で展示されています。絵画を落札した個人コレクターは、ルーベンスとつながりの深いティントレットの絵が、アントワープで飾られること、そして同じように絵画を公共の為に美術館に預けていたデヴィッド・ボウイの遺志を継いで、より多くの人に見てもらうことを希望しているとのことです。
「ルーベンスの家」では目下、来年に向けて自画像の修復が行われていますが、アントワープにお越しの際は、ぜひこの作品にも注目してみてください。

(c) Beeldarchief collectie Antwerpen

(c) Beeldarchief collectie Antwerpen

ルーベンスの家
www.rubenshuis.be
月曜日を除く、毎日午前10時から午後5時 開館
入館 8ユーロ

● 240年ぶりにルーベンスの絵が戻ってきた

THE HOLY FAMILY FROM EGYPT by Peter Paul Rubens

THE HOLY FAMILY FROM EGYPT by Peter Paul Rubens

ルーベンス作の「聖家族のエジプト逃避」がアントワープのカロルス・ボロメウス教会に戻ってきました。1620年、当時のアントワープ市長だったロコックスが、友人でもあったルーベンスに祭壇画の制作を依頼し、イエズス会派のカロルス・ボロメウス教会に寄贈されました。絵画は、18世紀の教会改革の波の後、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)で展示されるまで行方不明となっていましたが、この度、無事ルーベンスがそのために描いた教会に戻ってくることとなりました。

アントワープ ルーベンス カロルス・ボロメウス教会 

カロルス・ボロメウス教会は、ルーベンスの時代のアントワープの繁栄を伝える壮麗な教会です。ルーベンスやヴァン・ダイクといった当時の名画家がこぞって参加、ルーベンスのものだけでも37枚ほどの天井画が描かれたと記録にあります。
あいにく1718年の火災により内部の大部分が焼けてしまい、絵画は焼失してしまいましたが、いまも建物正面のルーベンスがデザインしたオリジナルの彫刻や、内部の大理石でできた祭壇などに、当時の面影を観ることができます。
修復されて美しくよみがえったルーベンス作の「聖家族のエジプト逃避」も含め、ルーベンス記念年に訪れておきたい場所のひとつです。

(c) Kris Jacobs

(c) Kris Jacobs

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