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オランダ建築のモダニズム 世界遺産とアムステルダム派100年

アムステルダム 建築 オランダ

新しい建築が次々と生まれるオランダ。「世界は神が作ったが、オランダはオランダ人が作った」といわれるように、干拓によって国土を広げてきたオランダは景観を作るのが得意。クールな建築はもちろん、目を疑うような斬新でユニークな建築に、オランダではしばしば出会います。建築やデザインが好きな人にとって、刺激にあふれています。

アムステルダム 建築 オクラホマ Wozoco

(c) Rotterdam Partners

(c) Rotterdam Partners

街めぐりをしながら建築を楽しむなら、アムステルダムの東港湾地区や北のアイブルグ(Ijbrug)エリアがおすすめ。またアムステルダムと並び称される建築の街ロッテルダムは、鉄道駅から探検がはじまります。まるで街全体が建築ミュージアムのようです。

オランダのモダニズム建築は約100年ほど前から始まり、当時すでに時代をの先端を行くものでした。現代建築のルーツを辿るには、1920年代に誕生した2つの世界遺産も合わせて訪れましょう。また今年はちょうどアムステルダム派が100周年を迎え、特別展が開催されています。アムステルダム、ユトレヒト、ロッテルダムという主要都市を周遊しながら、オランダのモダニズム建築のルーツを辿る旅へ出かけましょう。

● 世界遺産 ユトレヒトのシュローダー邸 Schroderhuis

ユトレヒト リートフェルト シュローダー邸 世界遺産 オランダ

ユトレヒトの閑静な住宅街、煉瓦造りの昔ながらの家の並びに忽然と姿を現す、ヘリット・トーマス・リートフェルトが手がけたシュローダー邸。1924年に造られたとは思えないほどモダンな設計の住宅です。デザイナーであり建築家のリートフェルトは、画家のモンドリアンらなどが提唱したデ・スタイル派のメンバーでした。リートフェルトと親交が深く、その芸術を理解していたシュローダー夫人が設計を依頼し、直線、原色、白と黒という要素による構図を用いて、調和と統制の理想的なあり方を追求したデ・スタイル派の哲学をベースに建てられた住宅がシュローダー邸です。初期のモダニズム建築に大きな影響を与え、その功績から2000年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。

日本の建築様式にインスピレーションを得たといわれるフレキシブルな空間、色、線が生み出す理念と遊び心に満ちた建築は、現代にも十分通用するアイデアに溢れています。建物の保護のため少人数のガイドツアーでのみ内部を見学できます。ユトレヒト市のミュージアム(Centraal Museum)にて、事前に予約を入れておきましょう。

● 世界遺産 ロッテルダムのファン・ネレ工場 Van Nelle Fabriek

ロッテルダム ファン・ネレ 世界遺産 オランダ

建築当初から話題になり、「鉄とガラスで作られた詩(a poem in steel and glass)」と謳われ、後にオランダの近代主義の象徴と評価されたファン・ネレ工場は、2014年、オランダ国内では10番目に世界遺産に登録されました。光あふれる、ゆったりした空間の建物は、かのル・コルビュジエも「純粋さと妥協なき明晰さ」と褒め讃えました。ガラスや鉄を積極的に取り入れた空間の作り方や光の取り入れ方は、当時の最先端を行くもの。ロッテルダムの活気溢れる商業中心地にあり、1920年代後半に、コーヒー、紅茶、煙草を生産する工場として建てられました。現在、ファン・ネレ工場はショップやレンタル・ホールなどが入った複合施設として運営されています。ショップなどのスペースは見学できます。

● アムステルダム派 100年 Hundred years Amsterdamse School

アムステルダム ミュージアム ヘットシップ オランダ

アムステルダムでは100年前に「表現主義」が盛り上がりをみせます。20世紀初頭、新しい社会の在り方を求めて芸術活動や社会活動が活発になる中、建築の分野においては「アムステルダム派」が誕生しました。アムステルダム中央駅の設計などで知られるP.J.H.カイパースの甥、エデュアルド・カイパースがアムステルダム派の先駆者でした。それまでの伝統的な建築を破壊する勢いで、斬新な試みがなされました。6つの船会社の共同本部となったSheepvaarthuis(現・グランドホテル・アムラス)はアムステルダム派の代表作のひとつ。伝統的な建物に使われる煉瓦を利用しながら、その形状は曲線的で新しく、窓や階段など要所に当時の新建材である鉄を効果的に用いました。もうひとつの代表作で現在ミュージアムとなっているのが、1919年建造の労働者向けの102戸の住宅と郵便局などが入った集合住宅。現在、アムステルダム派ミュージアム・ヘットシップ(Amsterdamse School Museum Het Schip)として公開されています。アムステルダム派の主な活動時期は1910年代から1930年代にかけてです。そのスタイルは、ユーゲントシュティール(アールヌーヴォー) やアールデコ様式を踏襲しています。

「アムステルダム派」誕生100年を迎える今年は、ステデライク・ミュージアム(Stedelijk Museum)、ミュージアム・ヘット・シップ、アムステルダム建築センター (ARCAM)、グランドホテル・アムラス(Grand Hotel Amrath)、市立公文書館(Stadsarchief)などで、アムステルダム派を紹介する展示が行われています。

ステデライク・ミュージアムの特別展「Living In the Amsterdam School. Designs for the interior 1910-1930」は2016年8月28日まで開催されています。ミュージアム・ヘット・シップは8月末に拡張リニューアルオープンが予定されています。5ツ星のグランドホテル・アムラスは、1916年から1928年にかけて建てられたアムステルダム派の最高傑作ともいわれる船会社の建物をリノベーションしたもの。宿泊しない方でも、建築ガイドツアー(36.50ユーロ~、ハイティー付などもあり)に参加できます。

アムステルダム ホテル アムラス オランダ

2016年 建築イベント

● アムステルダム建築の日
2016年6月18日(土)DIYを中心としたワークショップ
2016年6月19日(日)再開発の進む東や北のエリア(Zeeburgereiland, IJburg Houthaven, Borneo Island, Buiksloterham)にてオープンハウス
イベント公式HP(オランダ語)

● ロッテルダム建築ビエンナーレ
開催中~2016年7月10日(日)
イベント公式HP(英語)

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