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オルタ美術館とアールヌーヴォーの故郷を訪ねて

ベルギーはアールヌーヴォー建築の発祥の地ということをご存じでしょうか。アールヌーヴォーとは、19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパを中心に花開いた芸術運動です。季節の移ろいを感じさせる花や植物などの有機的なモチーフに、うねる曲線を多用して組み合わせたスタイルは、ゴシック美術や日本の浮世絵の影響を受けています。そうした背景もあるからでしょうか、日本人の感性と相性が良く、日本でも人気の高いアートです。

(C) J.P.Remy

アノン邸 (C) J.P.Remy

秋から冬にかけて、また一年中楽しめる屋内の観光スポットとしてお勧めしたいのが、アールヌーヴォーをテーマにした旅です。

アールヌーヴォー・スタイルを初めて建築に取り入れたのは、建築家のヴィクトル・オルタ。ベルギーの首都ブリュッセルには、巨匠オルタが手がけたアールヌーヴォー・スタイルの建造物が数多く残されています。ブリュッセルが「アールヌーヴォー建築発祥の地」と呼ばれるのは、このためです。また、タッセル邸、ソルヴェイ邸、ヴァン・エトヴェルド邸、そしてオルタ美術館となったオルタ邸の4つの建築は、ユネスコの世界遺産に登録されています。

アールヌーヴォーを体験してみよう

● オルタ美術館(世界遺産)

ヴィクトル・オルタが1898年から1901年にかけて建てた自邸兼アトリエをそのままミュージアムとしたものです。オルタの美と芸術にたいする実践が隅々にまで行き届いた「アールヌーヴォー」の傑作として知られています。タイルや石のモザイク、ステンドグラス、優美な家具、壁面に描かれた絵などで飾られ、家全体がアールヌーヴォーの美意識と洗練に溢れています。

ミュージアムは、オルタの個人コレクション、建物の設計草案、蔵書なども収蔵し、オルタ研究の中心となっているほか、予約の上で、プライベートな品々も公開しています。また2016年10月より、博物館に隣接した部分に企画展用のスペースとショップ、リサーチオフィスの入った新棟がオープンします。また団体の場合、閉館後(17時半~)、世界遺産のこの美しい館を貸切ることもできます。20名までの会食、40名までの立食パーティなどイベントを開催することもできます。

公式HP(日本語あり) www.hortamuseum.be
トラム81、91、92、97番にてPlace Janson下車

● 楽器博物館
百貨店オールドイングランドのために建てられたアールヌーヴォー・スタイルの建物が、ハープシコードやピアノを含む西洋の楽器の他、古代の楽器や世界各地の楽器1,500点以上を収集・展示する楽器博物館として公開されています。最上階のテラス付カフェレストランは市街が一望できるので、ランチや休憩におすすめ。
公式HP(英語) www.mim.be/en
ブリュッセル中央駅から王宮への坂道の左側。中央駅から約200メートル。

(c)VISITBRUSSELS, E.Danhier

(c)VISITBRUSSELS, E.Danhier

● ベルギー漫画センター
繊維会館として建てられたオルタ設計によるアールヌーヴォー建築を利用。日本でも知られる「タンタン」など、コミック王国ベルギーの60年以上にわたる歴史を原画などで紹介するミュージアムとして1989年に開館しました。3万冊以上の蔵書を誇ります。
公式HP(英語) www.comicscenter.net/en/
ベルギー国立銀行の前のヌーヴ通りから東に曲がり階段を下りた先。

(c)Pieter Heremans

(c)Pieter Heremans

● 王立美術歴史博物館
サンカントネール公園に隣接した博物館。世界各地の工芸品を所蔵し、ベルギーが誇るタペストリーに加え、アールヌーヴォーやアールデコの家具や調度品などの作品が充実しています。
公式HP(英語) www.kmkg-mrah.be/cinquantenaire-museum
地下鉄Schuman駅、もしくはMerode駅下車

(c)Joost Joossen

(c)Joost Joossen

ブリュッセルにはオルタ以外にも、ポール・アンカール、ポール・コーシーらの設計による、19世紀から20世紀初頭に建てられた都市邸宅が残されていて、内部を見学できるものもあります。2009年にはオルタが手がけた豪華な内装で知られるホテル・メトロポールで、第二次世界大戦でドイツ軍の破壊を恐れて塗りつぶされていたアールヌーヴォー・スタイルのフレスコ画が発見されました。

(c) Brussels International Tourism & Congress

(c) Brussels International Tourism & Congress

● 足を伸ばしてアントワープへ

アントワープのズーレンボルグ・ベルヘム(Zurenborg-Berchem)地区は、観光ガイドブックで紹介されることはほとんどないものの、建築やデザインが好きな人にとっては必見の場所です。地元の人が憧れる閑静な高級住宅街に、アールヌーヴォー・スタイルで作られた様々な景観の美しい家々がそのまま保存されています。まるで屋外美術館のようです。アントワープの中心からトラムで15分、または徒歩で中央駅から30分程。いまも人が住んでいるため、内部の見学はできませんが、外観を眺めるだけでも楽しい場所です。自由かつ豊かな発想を感じたり、美しい装飾を愛でてみましょう。

(c) Kris Jacobs

(c) Kris Jacobs

イベント
2017年は、2年に1度開催される「アールヌーヴォー・ビエンナーレ」の開催年でもあります。毎回10月に行われるこのビエンナーレの期間中は、通常は一般公開されていない個人の邸宅や美術館が特別に公開されます。様々なテーマに沿ったガイドツアーが週末を中心に行われ、秋のブリュッセルの風物詩にもなっています。

(c) Brussels International Tourism & Congress, Olivier van de Kerchove

(c) Brussels International Tourism & Congress, Olivier van de Kerchove

アールヌーヴォーのカフェ&レストラン

ベルギーは「美食の国」。アールヌーヴォー・スタイルのインテリアが目の保養になる素敵なレストランやブラッセリーを、ぜひ旅のアクセントとして取り入れてみてください。

ブリュッセル 楽器博物館 カフェ アールヌーヴォー フランダース

● ポルトゥーズ・ドー Porteuse d’Eau
住所:Avenue J. Volders 48A/Jean Voldersstraat 48A, 1060 Brussels

● ル・コルボー Le Corbeau
住所:Rue St-Michel 18/Sint-Michielsstraat 18, 1000 Brussels

● デ・ウルティーム・ハルシナシー De Ultieme Hallucinatie
住所:Rue Royale 316/Koningsstraat 316, 1210 Brussels

● カフェ・メトロポール Cafe Metropole
住所:Place de Brouckere 31/De Brouckereplein 31, 1210 Brussels

● コム・シェ・ソワ Comme Chez Soi
住所:Place Rouppe 23/Rouppe plein 23, 1000 Brussels

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