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オランダの干拓の歴史と映画「あたらしい野生の地 リワイルディング」

国土が川や湿地に囲まれた低地にあるオランダは、干拓によって土地を広げ(約4分の1は海抜以下にあります)、限られた土地を有効に活用してきました。そんなオランダに、ヨーロッパでも珍しい野生の馬や渡り鳥の大群が生息する、豊かな生態系をもった大自然があることは、実はつい最近まで、ほとんどのオランダ人も知らなかったといいます。

フレボランド 干拓地 自然 オランダ

その場所は、アムステルダムの北東に約50km、ちょっと覚えにくい名前で「オーストファールテルスプラッセン(Oostvaardersplassen)」と呼ばれる自然保護区です。

締切大堤防 オランダ

オランダ北部のザウデル海とワデン海と切り離す、約30kmにわたる「締切大堤防」。その第1段階が完成したのは1932年のことです。1950年代から1960年代にかけて、アイセル湖(旧ザウデル海)の干拓により、新しい農地が生まれ、やがてフレボランドというオランダ12番目の州が誕生しました。

(c) New Land Management Wieringermeer - J. Potuyt

(c) New Land Management Wieringermeer – J. Potuyt

アイセル湖の干拓計画の一部だったオーストファールテルスプラッセンは、事業が失敗に終わり、1960年代末から打ち捨てられていました。そこに渡り鳥が飛来し、虫や魚の生態系が育まれ、1989年には湿地の国際条約「ラムサール条約」により、保護地域に指定されるほど自然が豊かに育まれました。

Ruben Smit Digital Image Archive

Ruben Smit Digital Image Archive

オーストファールテルスプラッセンは「自然保護区」に指定され、オランダ森林管理局によって保護されるようになりました。一般の人も、レンジャーと一緒に野生動物ウォッチングツアーに参加したり、5kmほどの散策路を歩くことができます。

干拓地 オランダ 映画 ReWilding
人の手が離れてわずか45年程で「動く生きもの図鑑」といわれるほど多様な生物の住処となった、オーストファールテルスプラッセン。この奇跡の自然保護区を春夏秋冬にわたり撮影し、オランダで70 万人を動員した、地球再生のドキュメンタリー『あたらしい野生の地—リワイルディング』が、もうすぐ日本公開となります。

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6,000ヘクタール程のオーストファールテルスプラッセンは、干拓事業に失敗し、人に忘れられた土地にでした。ここで驚くほどの力強さで、自然はあたらしい命を育み、野生の楽園を築きあげていました。『あたらしい野生の地—リワイルディング』では、命の宝庫のようなこの土地で、生を謳歌し、死と対峙する生き物たちが、ありのままの美しい映像で綴られています。

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なかでも、目を引くのがリワイルディング(再野生化※)に成功したコニック(馬)の一群。一度自然界では絶滅した種が、この地で繁殖に成功。数千頭が群れをなして雄大な草原を駆け抜けるシーンは圧巻です。

※リワイルディング(再野生化)とは、一度自然界で絶滅した動物種を、ふたたびその土地に放ち、失われた生態系を取り戻そうとする試み。

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本作品は、自然の素晴らしさを教えてくれるだけでなく、自然と敵対しない持続可能な社会の未来を考えさせてくれます。オランダで大ヒットを記録した生き物図鑑ドキュメンタリー、ぜひご覧ください。

『あたらしい野生の地—リワイルディング』
監督:ルーベン・スミット、マルク・フェルケルク
(2013 年/オランダ語/97 分/カラー/シネスコ/オランダ/提供:チームRewilding/配給・宣伝:メジロフィルムズ)
2016 年10 月29 日(土)渋谷アップリンク他、全国順次公開予定
公式HP http://rewilding.mejirofilms.com/

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