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アントワープの建築めぐり

16世紀後半から17世紀にかけて、ヨーロッパ最先端の都として栄えたアントワープ。バロック時代の息吹が街のそこかしこにいまも残っています。現在は世界有数の港のある街として、またファッションの街として輝くアントワープ。ルーベンス時代から21世紀までの街並を、美しい建築で辿ってみましょう。

 

(c) Antwerpen Toerisme en Congres

(c) Antwerpen Toerisme en Congres

街歩きは駅から出発。アントワープ中央駅は、世界で最も美しい駅と呼ばれることも多く、またの名は「駅の大聖堂」です。

アントワープ 中央駅 駅 フランダース

堂々たる建物はもちろん、内部に差し込む光も神々しく、ぜひ訪れてみたいスポットです。

Antwerp Tourism & Convention

Antwerp Tourism & Convention

アントワープ中央駅からの列車は、ブリュッセルや空港、ブルージュなど主要都市へダイレクトに乗り入れています。またオランダ(アムステルダム、ロッテルダム)やフランス(パリ)とは国際特急「タリス」で結ばれています。

アントワープ 建築 駅 フランダース

駅から徒歩10分ほどで旧市街につきます。フランダースの中心都市でもあるアントワープの旧市街には、あの有名な「フランダースの犬」ゆかりのスポットがあります。

(c) Kris Jacobs

数世紀にわたりアントワープのランドマークとして愛されているのが「聖母大聖堂」。長さ123メートル、7つの側廊をもつ巨大なゴシック建築です。

アントワープ 聖母大聖堂 内観

建築として素晴らしいのはもちろん、日本人にとって、フランダースの犬の主人公ネロ少年が最後に観たルーベンスの傑作「キリストの昇架」「キリストの降架」は感涙ものですし、名画「聖母被昇天」も必見です。

アントワープ 聖母大聖堂 ルーベンスの祭壇画

ルーベンスの祭壇画「キリストの降架」

ルーベンスつながりで訪れてみたいのが、旧市街にある「聖カロルス・ボロメウス教会」(住所 Hendrik Conscienceplein 12, 公式HP Carolus Borromeuskerk)。17世紀、イエズス会のために建造された教会で、ルーベンスを筆頭に当時の名画家がこぞって天井画を描きました。内部の絵は火災で焼けてしまいましたが、ルーベンスが設計したファサード(建物正面)の装飾は華麗なバロックスタイルで、当時の壮麗な様子をうかがい知ることができます。

アントワープ 聖カロルス・ボロメウス教会 フランダース

華麗な建築といえば、ベルギー発祥のアールヌーヴォーを抑えておきたいところです。アントワープ中央駅から電車で1駅(またはトラム利用)でベルヘム(Berchem)駅まで行き、駅から徒歩5分の「コーヘルス・オスィレイ(Cogels Osylei)通り」を目指しましょう。

 

 

(c) Kris Jacobs

(c) Kris Jacobs

ここには、19世紀末から20世紀初頭のアールヌーヴォー全盛の時代にデザインされた、個性的で豪華な邸宅が500メートルにわたりずらりと並んでいます。アールヌーヴォーといいながらも、当時の名建築家たちが競い合い、様々なスタイルを取り入れたユニークなものが多く、どれひとつとして似た建物はありません。

アントワープ 建築 Cogels Osylei フランダース

1980年以降、景観保護地区として保護されていることもあり、この通りに来ると、まるで100年前の世界に迷い混んだかのような不思議な体験ができます。コーヘルス・オスィレイ(Cogels Osylei)通りを中心に、近隣エリアには豊かな建築様式を備えた高級住宅街が広がっています。建築好きな方は、半日くらい散策しても飽きないでしょう。

高級住宅地の雰囲気でセレブな気分になったら、このエリアにあるミシュラン2つ星のレストランThe Janeで旅の記念ランチを食べるのもいいかもしれません。

アントワープ・ベルヘム駅へ戻り、34番のバスで15分、Antwerpen Troonplaatsで下車すると目の前にとがった屋根の建物が見えてきます。アントワープに3つある裁判所の一つで、2005年に完成した最も新しいアントワープの裁判所です。1階は事務所などで、裁判所は上階にあります。船の帆をイメージしたという三角屋根は空調の機能を備え、明るい光の下、それぞれの裁判所が入っています。

 

(c) Antwerp Tourism and Congres

(c) Antwerp Tourism and Congres

裁判所のあるアントワープ南地区(Zuid)から北上して、市のミュージアム「MAS」へ行ってみましょう。途中の壁画アートやショップ、モードミュージアム、現代アートミュージアムなどに立ち寄りながら歩いてもいいですし、時間が足りない場合はトラムで一息に移動してもいいでしょう。

(c) Sarah Blee - Neutelings Riedijk Architecten

(c) Sarah Blee – Neutelings Riedijk Architecten

MAS」はアントワープの歴史から、絵画、世界各地のエキゾチックな品々までを複数階に分かれた5700㎡のエリアに展示する市のミュージアムです。またこの建物は市民に愛されていて、21世紀の街のランドマークとなっています。

ミュージアムがクローズしている朝晩や、月曜日(休館日)も屋上のデッキスペースは無料で解放されています。ここから市内随一の眺望が望めます。記念写真のためにもぜひ立ち寄りたい場所です。

港町をイメージして、コンテナを積み上げた形状の外観には波打つガラス・・。旧市街の煉瓦の街並と調和した、赤茶けた石の壁面にはアントワープの名前の由来とされる、伝説の巨人の手のマークが無数に入っているなど、見どころの多い建物です。気軽に休めるカフェやミュージアムショップにも立ち寄ってみてください。

(c) Filip Dujardin

(c) Filip Dujardin

最後にご紹介するのは、昨年誕生したばかりのアントワープ港湾局の本社ビル「ポートハウス」です。世界的な建築家ザハ・ハディド氏の建築事務所が手がけました。

(c) Havenbedrijf Antwerpen - Peter Knoop

建物の下部は、中世にアントワープが参加していた商業都市同盟「ハンザ同盟」の建物を再現したもので、以前は消防署として使われていました。上部に新しく建設された部分は、未来への象徴として加えられました。過去と未来をつなぐという挑戦に見事応えています。

全面を角度を変えたガラスで覆っているため、光があたると水、雲、影、光を巧みに反射して輝きます。きらめくガラスは港の町アントワープを象徴する波であり、また町を代表するもうひとつの産業、ダイヤモンドをも表しています。

より興味のある方はガイドツアーで館内を訪問できます。詳細および最新情報は港湾局の公式HP(英語)をご覧ください。
アントワープ 建築 港湾局 ポートハウス

アントワープ 建築 港湾局 ポートハウス

アントワープ港湾局「ポートハウス」見学の後は、ポートハウスからも見えるHet Pomphuisでのディナーはいかがでしょう?1920年代に船のドックを乾かすためのポンプ場施設をリノベーションしたクールなレストランで、港の空気が感じられます。もしくはMASへ戻り、旧港エリアのレストランで一息入れるのもいいかもしれません。

建築めぐりは旧市街を離れ、トラムやバスにも乗るため、ミュージアムなど観光施設の入館料と共に公共交通機関の利用もできるANTWERP CITY CARDが便利です。

また天候の良い時期なら、アントワープ市民の足となっている公共レンタサイクルVelo Antwerpを借りてもいいでしょう。市内150か所にあるスタンドで乗り捨て自由。料金も1日4ユーロとお手頃です。アントワープの街を満喫してみませんか?
アントワープ 自転車 レンタサイクル

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