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ベルギー・フランダースで世界遺産めぐり

ベルギーで登録されている13のユネスコ世界遺産のなかから、観光で行きやすく必見のスポットをご紹介します。ベルギーをめぐる旅の行程にぜひご検討ください。

世界で最も美しい広場 グランプラス(ブリュッセル)

ブリュッセル 世界一美しい広場 世界遺産 グランプラス ベルギー

グランプラス(フランス語Grand-Place/オランダ語Grote Markt)は、ベルギーの首都ブリュッセルの中心にある大広場です。11世紀から、王位の継承、法律の布告、そしてさまざまな儀式が行われてきました。15世紀に歴史をさかのぼる市庁舎、16世紀の王の家などの壮麗な建物に囲まれ、かつて小説家ヴィクトル・ユゴーが「世界で最も美しい広場」と呼び、芸術家ジャン・コクトーが「絢爛たる劇場」と称えました。1998年に世界文化遺産に登録されました。いつも人々で賑わう、文字通り、ブリュッセルの中心です。ブリュッセルに来たら、真っ先に訪れたいところです。

建築家ヴィクトル・オルタによる邸宅群

ヴァン・エドヴェルド邸 (c)Visit Brussels/ Jean-Paul Remy 2017

アールヌーヴォー建築の立役者といわれるヴィクトル・オルタが設計した住宅のうち「タッセル邸」、「オルタ邸」、「ヴァン・エドヴェルド邸」、「ソルヴェ邸」が世界文化遺産に登録されています。
このなかで、自邸兼アトリエとして建てられた「オルタ邸」はミュージアムとして公開されています。オルタの美と芸術にたいする実践が隅々にまで行き届いたアールヌーヴォーの傑作をぜひ見学してみましょう。タイルや石のモザイク、ステンドグラス、優美な家具、壁面に描かれた絵などで飾られた家全体が、アールヌーヴォーの美意識と洗練に溢れています。

オルタ邸ミュージアム www.hortamuseum.be
トラム81、91、92、97番にてPlace Janson下車

ブリュッセルの建築では、もうひとつ、ヨーゼフ・ホフマンによるストックレー邸が世界文化遺産となっています。

べルギーとフランスの鐘楼群(アントワープ、ブルージュ、ゲント、メッヘレン、ルーヴェンなど)

べルギーとフランスの鐘楼群(両国合わせて56の鐘楼)が世界文化遺産として登録されています。ベルギーの都市は交易の要衝として栄えたこともあり、13〜15世紀頃には自治権を獲得する都市が増えてきました。元来、教会に付属していた鐘楼が、市民が力をつけると同時に、町の広場に独立して建てられるようになりました。鐘楼は市民の自由と独立の証だったのです。

またベルギーのフランダース地方では、鐘楼の中に入っている鐘を組み合わせて奏でられる「カリヨン」が、伝統楽器として親しまれてきました。2014年から、カリヨンは無形文化遺産に登録されています。

鐘楼やカリヨン探訪のおすすめは、古都メッヘレン(Mechelen)。聖ロンバウツ大聖堂の高さ97mの鐘楼に、古い物は1480年に鋳造された鐘を含む、49個の鐘を組み合わせた2組のカリヨンがあります。いまも15分ごとにカリヨンの響きが町中を響き渡ります。メッヘレンには、カリヨン奏者育成のための王立カリヨン学校(Koninklijk Beiaardschool)もあり、ガイドツアーで内部が見学ができます。まさにカリヨンの街といってもいいでしょう。

ブルージュの中心、マルクト広場にある鐘楼は83mの高さを誇る街のシンボル。ベルフォルト(Belfort)やベルフライ(Belfry)と呼ばれ、親しまれています。ここでは定期的にカリヨン奏者による生演奏(カリヨンのコンサート)が行われ、古都の街並を歩きながら、世界遺産の鐘楼から流れるカリヨンの調べを聴くことができます。鐘楼は展望スポットにもなっています。約300段の階段を登ったご褒美は、ブルージュを一望する景色。晴れた日は北海まで視界に納めることができるでしょう。

ブルージュのカリヨンコンサート
水曜日・土曜日・日曜日 午前11時〜12時
※夏季は週2回ほどイヴニング・コンサートも開かれます。

ベギン会院(ブルージュ、ゲント、ルーヴェン、メッヘレンなど)

フランダース地方にある「ベギン会院」13か所が世界文化遺産に登録されています。北西ヨーロッパに興った女性のみが参加するベギン会が運営した「ベギン会院」は、信仰に関わるものだけでなく、共同体として使われた作業場などを含む複合的な施設でした。

ヨーロッパ有数の古都として知られ、多くの中世の建物がそのままの姿を留めるブルージュは、「旧市街」そのものが世界文化遺産に登録されています。ブルージュのベギン会院は、運河にかかる橋の向こうには重厚な門構えがあり、一歩入ると緑あふれる中庭に静謐な世界が佇んでいます。

ブルージュのベギン会院

フランドル伯爵夫人のマーガレットが創立したベギン会は、中世の女性たちの自立を支援する場として誕生。従来の修道院とは違い、世俗の中で働き収入を得ることも許され、退会すれば結婚も認められていました。ベギン会院の女性はお祈りのあと、町へ仕事に出かけ、主に教師、保健士、刺繍、縫製、洗濯などで収入を得ていたといわれています。

ゲントの小ベギン会院の創建は1235年にさかのぼります。2008年に最後のベギン(信仰を拠り所としてここのコミュニティーに暮らす独身女性)が亡くなるまで、約800年間ベギンたちの暮らしが続いていました。現在は住宅となった所もありますが、教会、礼拝堂、芸術作品、歴史的な文書などはオリジナルのままに保存されています。

(c) Layla Aerts

ルーヴェンのベギン会院はまさに「小さな町」といった大規模なもの。13世紀の初めに創設された修道院、幾つもの道、広場や庭園・公園などが配され、伝統的なレンガと砂で造られてた家々が落ち着いた風情を醸し出しています。1962年に一帯を購入したカトリック・ルーヴェン大学により、このエリアは注意深く復元されてきました。最後のベギンは1988年に亡くなりましたが、この地の平穏は今も続いています。このエリアを散策するなら、大ベギン会院に隣接するベギンホフ・ホテル Begijnhof Hotelに泊まってみましょう。市内中心まで徒歩圏内でありながら閑静な環境で、広々とした庭園やテラスでリラックスできます。

プランタン・モレトゥス印刷博物館

(c)www.tomaskubes.cz

プランタン・モレトゥス印刷博物館は現存する、世界最古の産業印刷工房です。16世紀当時、パリやヴェネチアと並び、印刷術の先端都市として知られたアントワープで創業されました。その建物を活かして、工房が所蔵した書物および写本3万、木版画1万5千、銅版画3千、インキュナブラ150、その他絵画やデッサンなどのコレクションを収蔵する印刷博物館として公開されています。

当時の印刷所は出版所としての機能も持っていたため、とても文化的な場所でもありました。室内装飾、アート、調度品などからもその時代を伺うことができます。現存する最古の印刷機や創業者一族と親交のあった画家ルーベンスによる肖像画など、価値があるものが並び、邸宅部分からは富豪の暮らしぶりを知ることができます。2005年に世界文化遺産に登録。同博物館所蔵の古文書は、2001年に記憶遺産の認定を受けています。

ソワーニュの森

春になると野生のブルーベルが一面に咲くエリアも

ブリュッセル郊外にある「ソワーニュの森(英語:Sonian Forest/オランダ語:Zoniënwoud/フランス語:Forêt de Soignes)」が2017年、世界自然遺産に登録されました。ベルギーには12の世界“文化”遺産が登録されていますが、ソワーニュの森はベルギーで初めての世界“自然”遺産の登録となりました。

ソワーニュの森は、最後の氷河期以降に進化を遂げたヨーロッパ・ブナの生態系が残されている希少な場所。4月になると、野生のブルーベルの可憐な花が絨毯のように咲くエリアがあり、地元の自然愛好家は春の訪れを楽しみにしています。森の中には鳥や動物が生息し、季節ごとに野生の花が咲き、ブナばかりでなく、たくさんのオークの巨木が見られます。

ソワーニュの森は、ブリュッセルから車で30分、または地下鉄やバスを乗り継いで1時間です。ベルギーを代表する自然森が残る「ソワーニュの森」へ足を延ばしてみませんか?

無形文化遺産

ブルージュの聖血の行列

ベルギーでは「聖血の行列」(ブルージュ、キリスト昇天祭の日に開催)「アールストのカーニバル」(ブリュッセル郊外、カーニバルの時期に開催)、「メイブーム」(ブリュッセルおよび周辺)といった伝統的な行事等が無形文化遺産として登録されていますが、これからの時期におすすめの無形文化遺産が「オストダンケルクのエビ漁」です。

オストダンケルクのエビ漁

オストダンケルケの馬を使ったエビ漁(c) (c)Toerisme Oostduinkerke, Westtoer

北西沿岸の町オストダンケルク(Oostduinkerke)では、古来より馬を使ったエビ漁が行われてきました。 現代まで綿々と受け継がれてきたこのエビ漁は、2013年に無形文化遺産に登録されました。オストダンケルクは、ベルギー名物料理に度々登場する、小エビ(crevettes grises)の産地として知られています。伝統的なエビ漁が見られるのは、春先から9月中旬にかけての週末を中心とした特定日。大きな引き綱をつけた馬たちがダイナミックに海に入って行く様子は、夏の風物詩として人気があります。スケジュールはオストダンケルク観光局のウェブ(英語)をご覧ください。

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