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緑に囲まれた歴史の町ドルドレヒト

オランダ南西部にあるドルトレヒト(Dordrecht)は、1220年にホラント伯ウィレム1世によって、ホラント州で最初に市の資格が与えられた歴史ある町です。湿地に覆われた緑豊かなビースボス国立公園に隣接し、ロッテルダムから電車で15分、世界遺産キンデルダイクにも近く、観光のバリエーションが豊か。たくさんの魅力が詰まった今おすすめのエリアです。

たくさんの河川に囲まれた島のような形をしたドルドレヒトは、戦略上重要な場所だったことや、水運に恵まれ材木、穀物、ワインなど様々な物品の運搬と取引の中心を担ったことから、中世にその繁栄を謳歌しました。

1572年、ホラント州にある12都市の代表がドルドレヒトに集まり、スペインからの離脱を宣言します。以降も、宗教改革やオランダ建国の歩み、黄金時代となる17世紀まで、ドルトレヒトが果たした役割は大きいものでした。

そんな町には800年以上続く教会、富裕な商人の邸宅、地下に潜った運河など歴史的なモニュメントが1,000ほど残っており、中世の輝きをいまも感じることができます。

● 旧市街の見どころ

大教会 Grotekerk

ランドマークとなる大教会は、1122年に最初の礼拝堂の記録が残っている町最古の教会です。市の発展と共に教会も拡張し、現在の姿は15世紀に完成したといわれています。1572年、ドルドレヒトに宗教改革の波が押し寄せるまで、この地域のローマ・カトリック教会の拠点でした。

重厚な塔は、約100年の年月をかけて作られ、1450年に完成したものの、1457年に町を襲った大火に遭ってしまいます。建設当初から少し傾いていた塔の高さは65m。275段の階段を上ると、ドルトレヒトの旧市街や港を眼下に見下ろし、ビースボス国立公園、ヨーロッパで最も河川が複雑に入り組んだ場所といわれる周辺の地形、ロッテルダムの展望台ユーロマストなどが一望できます。

1624年にヤン・ヤンスゾーンが制作した塔の時計も現役です。大小さまざま総量52トンを超える67の鐘を組み合わせた楽器、カリヨンは街中に時報や音楽を響かせています。6月から8月にかけて、毎週木曜日にカリヨン奏者によるコンサートが楽しめます。

住所:Lange Geldersekade 2, Dordrecht
教会の開館:火曜日~土曜日 午前10時30分~午後4時30分、日祝 午前10時~午後4時
※日曜日 午前10時30分~礼拝あり
塔の開館 4月~10月 火曜日~土曜日 午前10時30分~午後4時30分、日曜日 正午~午後4時/11月~3月 土曜日 午後1時~午後4時
入館料:無料(塔に上る場合のみ1ユーロ支払う)
※月に1度、土曜日の午後4時からオルガンコンサートあり

ヘット・ホフ・ファンネーデルランド Het Hof van Nederland

1275年、聖アウグスティヌス派の修道士により建設された修道院です。当時は病院、ビール醸造所、ベーカリーなどが修道士により運営されていました。また修道院で学んだ子供が大学に進むなど、教育の場としても重要な場所でした。1512年の火事で焼け落ち、ルネッサンス様式の建物に再建されています。

1572年、オランダ独立のきっかけとなった12都市の代表が集まった会議が開かれ、スペインに反旗を翻し、オラニエ公ウィレム1世をリーダーに迎えることを決断した場となったことでも有名です。

1572年は宗教改革の年でもあり、聖アウグスティヌス修道院は解体され、修道士たちはブリュッセルへ逃げていかなければなりませんでした。以降、病院、市庁舎、迎賓館、学校など様々な目的で使われました。 現在は市の所有となり、ドルドレヒトの歴史を伝えるミュージアムとして公開されているほか、文化センターや公文書館として利用されています。

住所:Hof 6, 3311XG Dordrecht
開館:火曜日~日曜日 午前11時~午後5時
休館:月曜日(祝日の場合は開館)、1月1日、4月27日、12月25日
入館料:10ユーロ
※18歳以下およびロッテルダムパスやミュージアムカードの保有者は無料
※ドルドレヒト美術館、ファン・ハイン邸にも入場できるコンビチケット(1日券18ユーロ、2日券20ユーロ)

ファン・ハイン邸 Huis Van Gijn

1729年、ヨハン・ファン・ヌレンベルグという富裕な為政者によって建てられ、1864年から1922年までシモン・ファン・ハインという銀行家であると同時に、アートコレクターとして知られた人物が住んだ豪邸です。Old Dordrecht Societyに寄贈されたファン・ハインのコレクションは、邸宅と共に1925年からミュージアムとして公開されています。

(c) Huis van Gijn

17世紀から19世紀までのインテリアがファン・ハインが暮らした当時のまま残され、アート、工芸品、船の模型、ドールハウス、版画、アンティーク家具、銀製品、陶器といったコレクションが雰囲気たっぷりの邸宅のなかで鑑賞できます。

Homecoming from an East Indiaman by JH Cuckoo (c) Huis van Gijn

住所:Nieuwe Haven 30, Dordrecht
開館:火曜日~日曜日 午前11時~午後5時
休館:月曜日、1月1日、4月27日、12月25日
入館料:10ユーロ、18歳以下無料

ドルドレヒト美術館 Dordrecht Museum

16世紀から現代にいたるまで、600年にわたるオランダの絵画を中心に展示する市の美術館です。アルベルト・カイプ、フェルディナンド・ボル、二コラ―ス・マースといったオランダ黄金時代の画家や、ドルドレヒト出身でフランスで活躍したロマン派のアリ・シェフェールの作品が見どころとなっています。

二コラス・マース「聞き耳を立てる人」 Dordrecht Museum所蔵

フェルディナンド・ボル「自画像」 Dordrecht Museum所蔵

2010年にリニューアルした明るい色調の館内は、ゆったりしたとした敷地にあり、美術品を鑑賞するには最高の空間です。館内にはおしゃれなレストランがあり、朝10時から夜10時まで営業しているので、休憩をかねて訪れるのもおすすめです。

住所:Museumstraat 40,  Dordrecht
開館:火曜日~日曜日 午前11時~午後5時
休館:月曜日(祝日の場合は開館)、1月1日、4月27日、12月25日
入館料:15ユーロ
※18歳以下およびロッテルダムパスやミュージアムカードの保有者は無料
※ファン・ハイン邸、ヘット・ホフにも入場できるコンビチケット(1日券18ユーロ、2日券20ユーロ)

ボートツアーで運河や周辺をめぐる

ドルドレヒトの町は、かつての水路の上に建てられている部分があり、ボートツアーで地下の水路を辿ることができます。中世の雰囲気たっぷりのボートツアーは約1時間~90分ほど。ビースボス国立公園や世界遺産のキンデルダイクまでを往復し、ランチやハイティーが付いた半日コースもあります。下記ドルドレヒト市のウェブに、ボート会社のツアー情報が載っています。

ドルドレヒト市内および近郊をめぐるボートツアー(英語)

● 近郊の見どころ

ビースボス国立公園  National Park De Biesbosch

アウデ・マース川を中心にたくさんの河川が入り組んだ湿地帯の多くが、「ビースボス国立公園」として保護されています。ドルドレヒトからボートツアーがあります。公園のビジターセンターまで約7kmと近いので、天気がよければレンタサイクルで行くのもおすすめです。ドルドレヒトのツーリストインフォメーションでは1日単位で、(電動)自転車を貸し出しています。ボートツアーの情報もこちらで入手できます。

キンデルダイクの風車群 Kinderdijk

1か所で観られる数としてはオランダ最大、19基の風車が2列に並び佇んでいます。灌漑用に作られた18世紀の風車は、オランダの治水技術の象徴としてユネスコの世界遺産に登録されています。壮観な景色を眺めに出かけてみましょう。ドルトレヒト駅前から316番のバスで約40分。5月から10月まではWaterBus社の水上バスも利用できます。水上バス202番のルートが、キンデルダイクを通過しロッテルダムまで結んでいます。キンデルダイクまでは所要約30分です。

ヴィラ・オーガスタス Villa Augustus

19世紀に作られた農業灌水のための貯水塔がホテルに、ポンプ場がレストランに、素敵に生まれ変わったデザインホテルです。オーガニック野菜やハーブが育ち、果樹や季節の花々が咲く庭園を散策できます。ガーデンを眺める部屋、貯水塔の最上階のスイートルームなど、部屋のタイプもいろいろあり選べるのが楽しい。ドルドレヒトの駅からタクシー5分、3番か4番のバスで10分です。

● グルメ

オランダ南部で指折りのグルメの街として知られるドルドレヒトですが、ぜひ味わってみたいのがビースボスの湿地帯でとれるハーブやフルーツと、近隣の海で取れる魚介。そして伝統的な製法で作られる蒸留酒ジュネバです。

とっておきのディナーは水辺の眺めが最高のレストランBlancへ出かけてみましょう。アウデ・マース川を眺める絶好の場所にあります。

夕方になると美味しい匂いが充満し、心地いい小さなレストランが並ぶ Nieuwstraat通りはカジュアルな食事に、テラスのあるカフェレストランが集まるScheffersplein広場は夏のディナーにおすすめです。

1872年から続く蒸留所ルッテ&ゾンス(Rutte & Zn Distillery)ものぞいてみてください。ジンの国際大会で賞をとったことから、世界中から買い求められ取材される名品を生む蒸留所ですが、いまも創業者サイモン・ルッテの時代と同じく、小規模で営業し、絶品のジンやジュネバを手作りしています。ビースボス国立公園で取れたハーブなど地元の新鮮な素材を使ってフレーバーを作っています。リキュールを作るワークショップやテイスティングも月に1度ほど開催されており、個人でも参加することができます。

 

OXFAMの調査で、世界一健康な食事をするといわれているオランダ。実はベジタリアンも多く、オーガニックフードが人気です。美味しい野菜を食べるなら、レストランであり小さなホテルにもなっているKop van ’t Landや街中で気軽にテイクアウトもできるランチルームZusjes(住所 Voorstraat 431)などがおすすめです。先にご紹介したヴィラ・オーガスタスも自前のガーデンの野菜をたくさん使ったメニューがあります。

 

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