ガースベーク城は、ベルギー・フランダース地方の原風景が残るブリュッセル郊外のパヨッテンランドと呼ばれる地方にあります。ガースベーク城からの眺めは、16世紀にブリューゲルが描いた「穀物の収穫」にその面影が見られ、JATAの「ヨーロッパの美しい街道20選」に選ばれた「ブリューゲル街道」の一角をなすところです。

ガースベーク城からの眺め
中世から数々の歴史の舞台となってきたガースベーク城。中でも、16世紀にはベルギーとオランダの歴史に大きな役割を果たした悲劇のエグモント伯の居城となり、その後も数多くの貴族によって所有された由緒あるお城です。19世紀後半から20世紀の城主マルキーズ・アルコナティ・ヴィスコンティが、現在の城の形に改修し、1921年入ってからベルギー政府に寄贈。現在はフランダース地域政府のミュージアムとして、数々の企画展が開催されています。
企画展「神の名のもとに、アーメン」
2018年7月1日~8月31日
2018年~2020年のフランドル絵画年にガースベーク城で行われるこの企画展では、バロックを代表する画家ピーテル・パウル・ルーベンスの結婚誓約書と遺言書が展示されます。最初の妻と死別後、ルーベンスは16歳のエレーヌ・フールマンと再婚しますが、一般公開されるのはこの再婚の時の結婚誓約書になります。ルーベンスの結婚誓約書、遺言とも、ガースベーク城内の騎士の間にある公文書保管庫から、今回特別に展示されるものです。ルーベンスが人生の終わりを前にしてどのようなことを思ったのか、画家の私生活に触れる貴重な機会となります。
ガースベーク城
2018年開館日:4月1日~11月4日
休館日:月曜、2018年6月12日、13日*祝祭日は開館
開館時間:午前10時~午後6時*入館は午後5時まで
公式HP(英語) http://www.kasteelvangaasbeek.be/en

ガースベーク城のミュージアムガーデン
ミュージアムガーデン
ガースベーク城に隣接するミュージアムガーデンでは、フランダース地方に古くから伝わる果物や野菜が見られます。壁面や塀などにつたわせ栽培方法の紹介とともに、イタリア様式の温室、花やハーブ、梨、バラなどの家庭用菜園、ベリーやイチジクのガーデン、プラムなど地元の果物を集めた果樹園、1900年頃にぱこの地方で栽培されていた果物やキノコを集めた園、1950年から現在までにどのように耕作技術が発展したかを見せる低木の園の6つの部分に分かれています。ミュージアムガーデンは、植物がつたう白壁に囲まれていることでガーデン内の温度は周囲の気温よりも数度高くなり、それが植物や果物の発育に好影響を与えていると言われています。
開園:5月~10月 火曜~日曜 午前10時~午後6時(10月は午後5時まで)
休園日:月曜(祝祭日を除く)
公式HP(英語)https://www.natuurenbos.be/museumgarden

(c) Eddy Vangroenderbeek
**********
このトピックの関連記事
● ヨーロッパの美しい街道20選に「ブリューゲル街道」
● 2018年~2020年はフランドル絵画年
● ベルギー王立美術館 「ブリューゲル~目に見えない傑作」展
● 2018年に訪ねるルーベンスゆかりの町アントワープ